ホーム > サービスメニュー > 病院・クリニック > 推薦者の声と活用事例「臓器立体モデルによる肝切除ナビゲーションの試み」

メディカルエンジニアリングサービスについて

メディカルエンジニアリングサービスについて サービスメニュー BIOTEXTURE手術トレーニングシステム 病院・クリニック 大学・学校 医療機器・医薬品関連 総合事例 3Dデータソリューション ご注文 企業情報 お問い合わせ
3次元モデル一覧 Bio-Texture Modeling 生体質感造形

推薦者の声と活用事例

臓器立体モデルによる肝切除ナビゲーションの試み
東京都立墨東病院 外科 脊山泰治 3Dプリンタによる臓器立体モデルにより、新しい肝切除ナビゲーションの開発に取り組んでいます。

肝臓外科では2次元のCT画像から、3次元解析が普及し不可欠なものになりました。更に、3Dプリンタにより、3次元解析した情報から臓器立体モデルを個別に造形できるようになり、医療の世界でも導入の試みが注目されています。当院における、「臓器立体モデル」の肝切除臨床活用について紹介します。

都立墨東病院は隅田川の東に位置し、区東部(墨田区、江東区、江戸川区)の中核病院として東京都がん診療連携拠点病院に指定され、日本肝胆膵外科学会の高度技能修練施設Aの認定を受けています。年間60例前後の肝切除症例を施行しています。

・墨東病院肝胆膵外科HP
http://bokutoh-hp.metro.tokyo.jp/introduce_part/hepa.html

2011年に当院で肝切除症例の臓器立体モデルを初めて作成したときは、生体質感ではあるものの白黒で、VINCENT(富士フィルムメディカル)解析情報とは差がありました。その後、東京都のプロジェクト研究#として改良を重ね、現在は色が付き、症例によって生体質感もしくは透明硬質の素材を選択し、VINCENTによる解析情報のまま3Dプリンタで造形できるようになりました。
当院の工夫として、肝臓解析でシミュレーションした切除予定肝と残存予定肝を別々に造形し、肝離断面を術前に手にとって観察、把握できるようにしました(図)。特に、肝離断面が複雑な症例で意味があると考えています。3D解析はあくまで画面上で見るものであり、臓器立体モデルによって手術する前に結果を手にとってイメージすることができる、という画期的な変化がありました。

術前CT画像からVINCENTにより3D解析を行い、肝切除術式を検討します。患者の同意を得たのち、3D解析情報をファソテックに送り、造形シミュレーションを依頼します。造形予定図を確認後、3Dプリンタで造形してもらい、完成した臓器立体モデルを墨東病院に郵送してもらいます。この間約一週間程度で可能ですので、手術前のシミュレーションとして活用できます。コストの面を考慮し、60%の大きさを標準として使用しています。

1.肝切除シミュレーション/ナビゲーション
作成した臓器立体モデルは術前のカンファランスのプレゼンテーション(図)、術中ナビゲーションに使用しています。肝切除経験の豊富な術者でも実際に手に取ってみると画面で見ていたのとはやはりイメージが異なりますし、ほぼ術野と同じイメージを得ることができるメリットがあります。手術室にも持ち込み、滅菌バッグに収納し術中ナビゲーションとしても活用できるように工夫しました(図)。今までは術者の頭の中だけにあったイメージを、正確にチーム全体で共有できるようになりました。

2.患者説明
患者さんへの手術説明にも使用し、「どんな手術をするのかイメージできた」、と術前の不安解消に役立てています。肝切除ERASの項目として患者不安軽減がありますが、臓器立体モデルによる手術説明はまさにこれに相当すると考えています。

3.医学教育
レジデント教育としても活用しています(図)。レジデント、医学生など、元々肝切除自体をイメージできていない人の方が、肝胆膵外科医よりイメージ的に得るものが大きい傾向にあります。また、この様な取り組みを市中病院でもしていることが、医学生やレジデントが外科に興味を持つきっかけになることも期待しています。

臓器立体モデルの臨床応用は、まだ始まったところです。臨床現場の要求に応えることで造形技術も年々進歩しています。今後は腹腔鏡下肝切除のシミュレーションや、膵切除に適応を広げていく予定です。現時点では研究費で臨床的意義を検証している段階で、コストが請求できないため、今後の課題としては臓器立体モデルの臨床的意義を明らかにし、先進医療、保険収載を目指していく必要があります。

切除予定領域を外せる臓器立体モデル(上は摘出予定の腫瘍) 肝実質を曲げて離断面を観察できる生体質感モデル カンファランスでレジデント教育にも活用 滅菌バッグに収納し、
術中ナビゲーション
参考文献
  • 都立病院プロジェクト研究(H250401001, H270401001)
ページの先頭へ