ホーム > サービスメニュー > BIOTEXTURE手術トレーニングシステム > 推薦者の声と活用事例「新しい胸腔モデルとSynchronized Surgical Simulationによる新たな外科トレーニング」

メディカルエンジニアリングサービスについて

メディカルエンジニアリングサービスについて サービスメニュー BIOTEXTURE手術トレーニングシステム 病院・クリニック 大学・学校 医療機器・医薬品関連 総合事例 3Dデータソリューション ご注文 企業情報 お問い合わせ
3次元モデル一覧 Bio-Texture Modeling 生体質感造形

推薦者の声と活用事例

新しい胸腔モデルとSynchronized Surgical Simulationによる新たな外科トレーニング
東京慈恵会医科大学外科学講座 呼吸器、乳腺・内分泌分野  教授 森川 利昭 先生 近年、画像をコンピュータで立体視できるようになり、さらにリアリティのある画像が得られるようになりました。それでもなお実際の大きさ ではありませんし、中に手を入れることも、手術器械をあてがってみることもできません。ましてや、臓器を動かすこともできません。生体質感立体臓器モデルはこれらを一挙に実現してくれました。
1.進歩する内視鏡外科手術と外科トレーニングにおける課題

外科手術のトレーニングに王道はなく、様々な試行錯誤が行われていますが、依然ヒトに対する手術で学ぶon-site-trainingが中心となっています。近年内視鏡下手術が導入されて以降、これまで以上に手術トレーニングの重要性は増しています。
内視鏡手術が導入されてから、外科手術に二つのパラダイムシフトが起きています。
第一は機器の役割の拡大です。従来の手術は、外科医が主体で、機器の改良は付随的でした。内視鏡外科手術は、機器の開発によって可能になった手術で、機器の開発の占める役割が格段に大きくなりました。
第二は、手術の進歩が早くなってきたことです。新しい機器が次々に開発され、それに伴って新しい技術が次々に開発されてきています。
このような進歩にキャッチアップするには、もはや一つの施設で先輩から後輩への技術伝承では不可能になってきています。
手術の習得方法も変わってきました。
以前は「先輩の技術を盗む」ことが手術の習得の有力な方法でした。そのため「鉤引き3年」(手術の助手を3年間ひたすら行って手術を習得する)などという言葉が使われもしました。現在はそれでは間に合いません。いかに効率よく手術を学ぶか、が重要なのです。 内視鏡下手術の習得には以下のような特徴があります。
i) 内視鏡手術の発達により、手術の核心部分を画像として知ることができる
ii) 画像の記録の発達により、手技を繰り返し診て学ぶことができる
iii) 機器の操作と患者への応用を別々に訓練することができる
iv) 画像診断に発達により患者の解剖をより理解しやすくなった

一方、以下のような問題もあります。
i) 内視鏡の画像は基本的に平面で、手術では直接臓器を触らないので、術野の解剖を十分理解する必要がある。
ii) 内視鏡の画面は術野の一部を切り取ってきたものなので、術野外の解剖を十分理解する必要である。
iii) 直接触診しないものの、器具を通した触角を十分理解する必要がある。
iv) 万一の術中のアクシデントに対する備えを常に考えておく必要がある。

現在内視鏡下手術で行われているトレーニングには以下のようなものがあります。
①まず器械の使用法などをトレーニングボックスなどで習得します。
②バーチャルシミュレーターなどで実際の手術手技を学びます。
③上級者の実際の手術に参加して、手術の実際を学びます。

ここで注目されるのは、②と③の間のギャップが大きいことです。
この間を埋めるのに実際には上記②と③のあいだで生きたブタなどを使用した手術のトレーニングを行い、手術の緊張感などを学ぶことが行われます。ごく一部ではヒトの屍体(キャダバー)を用いたトレーニングを行うこともあります。


2.VRトレーニングと手術のギャップを埋める新たな訓練システムの開発

慈恵医大呼吸器外科開発協力の胸腔シミュレータ(投稿中)は、ボランティアの胸部CTデータから3Dプリンタと真空注型法を用いて製作した、等寸大の解剖モデルです。
本モデルは、本体となる胸郭ならびに胸腔内臓器の2つで構成されます。胸郭は肋骨や胸椎、鎖骨・肩甲骨などの骨性胸郭と、これを取り囲む筋肉や皮膚からなります。骨性胸郭は骨の硬さと弾力性を有し、皮膚・筋肉や臓器は特有の柔らかさを有していて、胸郭の中にある胸腔内臓器は、両側の肺と肺を繋ぐ縦隔臓器、すなわち心臓大血管からなる。肺は中に空気を含むスポンジ状であり、肺の中には実際と同様の血管や気管支が造形されている。
本モデルは胸郭や臓器すべてが実体サイズで、胸郭モデル肺モデルの位置関係も手術時を想定してあるので、実際と全く同じ手術機器を使用した手術トレーニングができます。

先に説明したように、手術トレーニングでは②のバーチャルトレーニングと、③実際の手術の間のギャップが問題でした。
本モデルは生きた動物やキャダバーと異なり、練習をする時・所を選びません。
実際の手術トレーニングで必要な、カメラや手術器具をどこからどのように用いるかという実戦的なことをいつ、どこででも学ぶことができます。


3.実際の手術と同時進行する新たな外科トレーニングスタイル

慈恵医大呼吸器外科ではこの胸郭モデルを使用して、新しい手術トレーニングを提案しています。それがSynchronized Surgical Simulation (SSS)です(投稿中)。

実際の手術トレーニングで重要なもうひとつのことは、それらの操作を限られた時間で緊張感を持って行うことです。
そのために本モデルを手術室に持ち込み、実際の手術の患者さんの近くに本モデルを置いて、実際の手術と連動させて手術のシミュレーションを行う方法を開発しました。実際の手術で映し出されるモニター映像と、本モデルで使用するシミュレーション用ビデオ映像を対比しつつ、実際の手術と同様の操作を行うことにより、実際の手術の本当のシミュレーションを行います。もちろん実際の手術は独立して行われ、手術の進行を妨げることはありません。実際の手術に同期して手術シミュレーションを行うことから、我々はこれを、Synchronized Surgical Simulation (SSS)と名づけました。

SSSは、独立した指導者のもとで2-3名の被験者が行います。
術者として手術の進行に合わせた操作を行うシミュレーションの術者、手術の進行に合わせて必要な物品を準備して手術を補佐するシミュレーションの器械担当と助手、胸腔鏡(スコープ)を実際の手術と同じ位置・方向に調節するシミュレーションのスコピストです。
実際の手術はもちろん高い緊張感を持って行われています。これに同期させるシミュレーションも実際の手術の術者が何を意図してどんな操作が行われているかを察知し、遅滞無く同じ操作を胸腔モデル内で行う必要があり、高い緊張感を共有します。
指導者はさらに高度な手術の情報を伝え、円滑な手術のシミュレーションを指導します。
実際にSSSを体験した初期研修医は以下の感想を寄せています。「これまで手術を見ているのと違い、自分の手を動かして自分の判断で動作を全て決めていくため、上級医の先生方と違い、自分がいかに何も考えずに手術を見ていたかを痛感しました。そのため、その後の手術では手術を見る着眼点が変わり,より考えて手術を見ることができました。実際の操作についてある程度自分で考えてイメージを持って術者の先生の手技を見ることができ,とても勉強になりました。」

外科手術は内視鏡下手術が標準になり、高度化し、精細化し、進歩が加速してきました。
近年の医療に対する期待の高さ、また反面医療事故が社会的に注目されていることなどを考慮すると、シミュレーションモデルを用いた手術トレーニングの重要性がさらに増大するものと考えられます。
SSSは従来の何れのトレーニングとも異なる、まったく新しい手術シミュレーションです。適切に用いられることにより、安全で確実な手術の習得に大きな役割を果たすと期待されます。

BIOTEXTURE手術トレーニングシステム Synchronized Surgical Simulation(SSS)の様子 切除した患者の肺と切除した肺モデル
ページの先頭へ