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推薦者の声と活用事例

肺立体モデルによるシミュレーション手術への挑戦 ― 秋葉モデル
東京慈恵会医科大学附属柏病院外科 副院長 教授  秋葉 直志 先生 3色の樹脂を混合することで気管支、肺動脈、肺静脈を一度に再現した肺の立体モデル。1つのモデルを使い、手術シミュレーション、インフォームド・コンセント、教育教材など、幅広い分野で活用・転用に成功。

慈恵医大柏病院 呼吸器外科では、2005年10月よりmulti-detector CTで作成したデータを、富士フィルムの3 次元画像解析システムボリュームアナライザーsynapse vincentを用いて tailor-made virtual lungと命名した個人の3次元肺を作成し、手術支援を行ってきた。(文献1-4)
これらを更に進歩させたのが、2012年5月に慈恵大学の倫理委員会の承認後、2012年7月から柏病院で始めた、肺の立体モデル(秋葉モデル)である。(文献5-10)

【第1期の肺立体モデル】
CTデータをsynapse vincentで加工し、株式会社ファソテックに依頼して、肺の気管支、動静脈、腫瘍の立体肺モデルを作成している。第1期の肺立体モデルは黒、白、透明樹脂の内から2種類を使用し、これらを混合することにより、気管支、肺動脈、肺静脈を表現することができた。この秋葉メソッドは呼吸器外科分野において、様々な手術シミュレーション、教育、患者説明に応用可能であった。

【日本外科学会抄録】
以下の記事は2013年4月12日に福岡国際会議場で行われた第113回日本外科学会定期学術集会のビデオフォーラムにおいて発表した抄録の抜粋である。
演者:秋葉直志、他
題名:世界に先駆けた肺立体モデルによるシミュレーション手術への挑戦
はじめに:世界初の肺立体モデルによる手術支援の挑戦を発表する.
対象と方法:肺手術例の CT を撮影.OsiriX で肺立体モデル(株式会社ファソテック)を
      作成.本モデルの有効性を検討した.
考察:これまで我々は MDCT を 3D 情報として tailor-made virtual lung による
   シミュレーション鏡視下手術の有用性を発表してきた.
   この時の気管支動静脈 は Synapse Vincent を用いて作成した.
   今回作成した肺立体モデルは,これまで作成したtailor-made virtual lung
   を超える立体感を表現できた.
結語:肺立体モデルは臨床応用可能と考えた.

【第2期肺縦隔立体モデル】
第1期は2種類の樹脂しか使用できなかったが、第2期は3種類の樹脂を同時に使用することが可能になった。更に、使用できる樹脂の種類が増加し、青色、赤色、黄色の樹脂が使用可能になった。これらを混合して肺立体モデルでは、気管支、肺動脈、肺静脈をその3色の樹脂で表現することができた。縦隔病変についても、臓器と病変に適宜カラー樹脂を使用した。

【立体モデルを採用したきっかけ】
  (1)Multi-detector CTの進歩
     呼吸器外科医は2次元のCT画像をスクロールしながら頭の中で立体画像を
     構築し手術を行う時の参考にする。この作業を横断面のスクロールで行う
     と、各構造物の位置関係は背腹方向・左右では正確に理解できるが、頭尾側
     方向の距離感がつかみにくい。同様に冠状面のスクロールでは頭尾方向・
     左右は正確に理解できるが、腹背方向の距離感とゆがみの状態が把握できな
     い。
  (2)3D-CT tailor-made virtual lung(3Dバーチャル肺)の限界
     この欠点を克服するために、最初に行われてきたのが、CT画像を3次元構築
     する技術である。これは 3D画像をモニター上で観察可能であり、これを
     手術の参考にすることができる。
     CT画像を3次元構築する方法は優れた方法だが、これも平面に投影した
     立体画像であり、実際はモニター上で様々な方向で観察することにより、
     頭の中で立体画像を構築する作業をしており、各構造物の前後や左右の
     関係は理解できるが、各々の距離感やゆがみを実感することはできない。
  (3)3D肺縦隔立体モデルへの期待
     上記の欠点を克服するために、3D肺立体モデル、3D縦隔立体モデルへの
     大きな期待が持たれている。

【立体モデルの具体的な活用方法】
1.手術シミュレーション
  (ア) 手術前に解剖学的問題点や患者さんの持つ解剖学的 variation の発見を
      補助する.
  (イ) 区域切除、肺葉切除などの呼吸器外科手術、特に完全鏡視下手術における
      術前に行う手術シミュレーション。並びに手術中に行う解剖学的確認。
  (ウ) 腫瘍と区域面との最少距離を実感でき、区域切除の範囲を確定する。
  (エ) この技術を現在は肺を中心に行っているが、縦隔や胸壁その他さまざまな
      部位で応用可能である。
2.患者さんや家族への説明
  (ア) 患者や家族に対するinformed consent:作成したモデルを用いて患者に対
      する手術説明を行う。患者さんや家族が実感を持って手術を理解し、その
      困難さも理解することができる。
3.教育教材
  (ア) 学生や研修医に対する肺立体モデルを使用した胸部解剖の理解補助、
      胸部レントゲン読影の補助、手術トレーニングを通して呼吸器外科に
      対する認識と興味を惹起する。
  (イ) 研修医、レジデントに対する立体モデルを使用した手術トレーニング。

【立体モデルがもたらしたメリット】
手術を行う際の予定切除面を具体的にシミュレーションすることができる。さらに、切離する気管支や動静脈をシミュレーションすることができる。
患者さんや家族への説明の際に、理解を補助することができる。







参考文献
  • Akiba T, Marushima H, Harada J, Kobayashi S, Morikawa T. Importance of preoperative imaging with 64-row three-dimensional multidetector computed tomography for safer video-assisted thoracic surgery in lung cancer. Surg Today 2009;39(10):844-7. (肺がんに対する安全な胸腔鏡下手術を行うための64列3D多検出器CTによる手術前イメージング)
  • Akiba T, et al. Computed tomography guided thoracoscopic segmentectomy for lung cancer with variant bronchus. Ann Thorac Cardiovasc Surg 2012 Dec 26. [Epub ahead of print] (気管支奇形を伴った肺がんに対するCTガイド下胸腔鏡下肺区域切除)
  • Akiba T, Morikawa T, Ohki T. Letter to the Editor: Simulation of thoracoscopic surgery using 3-dimensional tailor-made virtual lung. J Thorac Cadiovasc Surg 2012; 143(5): 1232-4. (編集者に対する書簡:3Dテイラー・メイド架空肺を用いた胸腔鏡下手術のシミュレーション)
  • Akiba T, Morikawa T, Inagaki T, Nakada T, Ohki T. A new classification for right top pulmonary vein. Ann Thorac Surg 2013; 95(4): 1227-30. (右最上肺静脈に対する新分類)
  • Akiba T, et al. Simulation of the fissureless technique for thoracoscopic segmentectomy using rapid prototyping. Ann Thorac Cardiovasc Surg 2014 Mar 15. [Epub ahead of print]  (胸腔鏡下肺区域切除に対する不全分葉テクニックの3Dプリンタを用いたシミュレーション)
  • Akiba T, et al. Three-dimensional pulmonary model using rapid-prototyping in patient with lung cancer requiring segmentectomy. Ann Thorac Cardiovasc Surg 2013 Nov 8. [Epub ahead of print]  (肺区域切除を必要とした肺がんに対し3Dプリンタを用いて作成した3D肺モデル)
  • Akiba T, et al. Three-dimensional printing model of anomalous bronchi before surgery. Ann Thorac Cardiovasc Surg. 2013 Oct 3. [Epub ahead of print]  (手術前に気管支奇形に対し3Dプリンタを用いて作成した3Dモデル)
  • Nakada T, Akiba T, et al. Thoracoscopic anatomical subsegmentectomy of the right S2b + S3 using a 3D printing model with rapid prototyping. Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2014 Jul 6. [Epub ahead of print] (3Dプリンタを用いて作成した3Dモデルを用いた胸腔鏡下解剖学的右肺S2b + S3肺亜区域切除術)
  • Akiba T, et al. A three-dimensional mediastinal model created with rapid prototyping in a patient with ectopic thymoma. Ann Thorac Cardiovasc Surg 2014 Mar 15. [Epub ahead of print] (3Dプリンタを用いて作成した異所性胸腺腫の3D縦隔モデル)
  • Nakada T, Akiba T, et al. Thymic cavernous hemangioma with a left innominate vein aneurysm. Ann Thorac Surg (in press) (左腕頭静脈瘤を伴った胸腺海綿状血管腫)
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